第一生命保険株式会社
- 業 種
- 生命保険
- 従業員数
- 52,384名
上司と部下で目線合わせができ、
対話の姿勢を学ぶことのできる唯一無二のツール
- 業 種
- 生命保険
- 従業員数
- 52,384名
第一生命と第一生命グループのいくつかのグループ会社では、一人ひとりの持つスキルとポテンシャルを最大限発揮するために、2020年に人事制度を改定しました。上司と部下による1対1の定期的な対話の機会である「1for1」(第一生命版1on1ミーティング)を導入した背景や課題、The 1on1を活用して起こった変化などについて、第一生命株式会社人事部人財開発室の竹吉春樹様にお話を伺いました。
1for1制度を導入した背景を教えてください
社員一人ひとりのやりたい、ありたいを組織の力に
第一生命では、会社が社員を引っ張っていくという従来のトップダウン経営よりも、個の能力を上げて、それを組織の力にしていくボトムアップ経営の企業風土を目指しています。そのため、年3回の公式面談だけでのみフィードバックや評価を伝えるのではなく、面談以外でも上司と部下が定期的に対話を持ち、目標やその目標に向けた現在地、改善点などの共通認識を持てる機会をつくりたいと考えていました。導入直後は、未曾有のコロナ禍で社員同士が顔を合わせられない状況だったので、部下の状態を確認するとともに、上司は部下の発言に耳を傾け、お互いに安心することができました。これは1for1を月1回以上実施するモデル運営を設けた本来の狙いとは異なっていたことは否めませんが、副産物として功を奏したことを今でも強く記憶しています。
実際に1for1を始めてみて、難しさを感じる部分はあります。部下が数十名いる上司は、部下1人につき30分対話をするとして、計算上では毎月数百分の時間を費やすことになります。しかし、上司の負担があまりにも大きくならないよう、上司だけでなく、業務上関係している先輩にあたる社員などとの柔軟な組合せによる1for1も認めています。
現在は、案件や事案などの「モノ」だけに焦点があたっている対話が多いと思いますが、「ヒト」にも焦点があたる対話を目指しています。つまりは、部下が「何を感じ、何を思い、何に動機付けられ、何に刺激され、何故その結論に至ったのか」を考え、部下自身の価値観や、やりたい・ありたいに触れるような問いを投げかけることも、個を尊重し、対話の質を向上させるための必要不可欠な関わり方です。
The 1on1のどのような点に興味をもちましたか?
人事部内のトライアル導入を通じて全社へ展開
The 1on1はゲーム感覚でカジュアルに楽しみながら対話ができるとお伺いし、最初は人事部だけでトライアル導入を実施しました。3ヶ月ほど利用した後にアンケートで生の声を聴き、全社で展開しても、必要としてくれる人に必要なものを届け、その人をサポートできると確信が持てましたので、正式に導入を決めました。
問題なく1for1を順調に実施できている所属もあるので、ニーズのある所属で導入する形をとり、ユーザーアカウントは10,000件以上発行しました。
The 1on1を導入後、どのような変化や効果がありましたか?
対話の姿勢を上司・部下ともに学ぶことのできる、他にはないサービス
The 1on1導入前には、1for1を行う30分間が業務報告や雑談で終わってしまうという声や、相談されたからには上司として必ず答えを見つけなくてはいけない、という心理状態になるという声がありました。私自身、上司側としても部下側としても利用したことがありますが、指南書が用意されており、上司と部下で一緒にそれを見ながら同じ目線で進められるので、聴く姿勢というか、対話の姿勢を学ぶことができるということに気づきました。また、これまでは思いもよらなかったようなテーマを選択することで、会話の幅は広がりますね。「こんなテーマあるんだね」という会話もそうですし、全てはきっかけづくりだなと思っています。
メモ機能で認識の齟齬も解消
上司のメモを部下にも共有できるのはとても良い機能だと思っています。通常はメモをとっても相手には絶対に見せないですよね。The 1on1の場合は、部下も上司がとったメモの内容が見られるので、例えば最後に「今日の内容について、私の理解はこうだけど間違ってたら教えてね」といったすり合わせができるので、部下としても伝えたいことが伝えられたかが確認できますし、認識齟齬があったとしても、「あれはそういう意味だったんだ」と上司が気づくことができます。メモは上司と部下だけが見ることができ、他の人に見られる心配がないので心理的安全性が保たれています。
今後The 1on1に期待することはありますか?
1for1の前後でもコミュニケーションが取れるように
The 1on1は実践(コミュニケーション)をサポートするシステムだと思っています。実践が中間だとして、その入口と出口の部分に関しては、色々なタレントマネジメントシステムが機能として有していますが、「対話の時間」に焦点を絞ったとしたら、実際みんなが困っているのは入口と出口のサポートではなく、中間に関するものなのではないでしょうか。その点では、The 1on1は、他にはないサービスだと思っています。やりたいことが全部The 1on1の中で実現できるようになれば嬉しいです。
1for1の時間だけでなく、次回に向けてのアクションプランなど、継続的にコミュニケーションが取れるといいですね。あとは、部下側がもっと触ってみたいと思える仕掛けなど。例えば、お互いのプロフィールが設定できれば、お互いに興味を持ったり共通の話題が生まれると思います。
人事部の担当としては、使ってみれば面白い、効果があると思ってもらえると感じているのですが、なかなか浸透しないという歯がゆさはあります。発信力や伝え方が足りないのかなとは思うのですが、今後も必要な人が活用できるようにしておきたいと思います。
どのような課題を持った会社にThe 1on1をおすすめしたいですか?
1on1を制度として導入したものの、うまくいってない会社というのは多いと思います。The 1on1はゲーム感覚でできるので、まずはカジュアルに取り組んでみると良いのではないでしょうか。